佐久長聖、日本高校最高記録で完勝!

http://www3.nhk.or.jp/rr-live/race02/result.html
詳しいリザルトは上記のホームページで。


今回の全国高校駅伝は前評判に違わぬ速さ・強さを見せた佐久長聖が日本高校最高記録*1で初優勝を成し遂げた。全選手が区間5位以内。終盤3区間は連続区間賞等で2分近い大差をつける等もさることながら、純日本人のみでこんなタイムが出たことが衝撃的だった。ちなみに日本人のみでの各区間の最高記録を全部足したタイムは1時間59分45秒で、今回の佐久長聖のタイムはそれから約2分半しか違わないだけに、今後これに近づくのは相当な巡り合せがないと無理ではないかと思う。以下に日本人の各区間最高記録合計タイムと今年のタイムの比較を載せてみた。


日本人の各区間最高記録合計タイム1時間59分45秒
上野28:54-佐藤清7:55-村澤23:38-佐藤悠22:44-浅井8:22-佐々木寛14:14-森口13:58
2008佐久長聖の合計タイム2時間2分18秒
千葉29:52-松下8:25-村澤23:38-平賀23:34-藤井8:24-佐々木寛14:14-大迫14:11


1区・2区・4区の差は大きいものの、それ以外の区間はほぼベストに近い出来。こういった伝説的な高校の出現を目の当たりに出来たのはとても興奮した。それとこの記録を抜き出して改めて思ったのは佐久長聖出身者の異常な強さ。
日本人各区間最高記録の内、1・2・3・4・6が佐久長聖出身者で占め、残りの5区・7区は佐久長聖出身者が歴代2位の記録を保持するという状態になっている*2たった10年でこれだけの選手を輩出する両角監督の指導力は凄い。今の日本長距離界は世界との差が広がり続けているが、クロカンを重視した指導などを分析して活かせれば多少は差は埋まるんじゃないかなとか思った。単純にはいかないと思うけどね。


佐久長聖だけで長々と書いちゃったのでけれど、他の入賞した高校についても簡単に感想を書くと・・・
仙台育英は現状のベストを出し切った感じ。上野・クイラはやはり強かったけど、その後の4区以降の粘りが2位を生んだ。駅伝の流れに乗ったのも大きいけど4区の斉藤の力走が大きかったと思う。駅伝にはああいう粘れる選手は重要だなぁ。
埼玉栄は1区後藤田の快走がリズムを生んだ。正直もうちょい出だしは厳しいと思ってた。繋ぎが弱かったけれど及第点の走りでしのいでエース3人で稼いで3位。このチームもベストを尽くせたかな。
逆に世羅は課題の残る4位。4区までは良い流れできていただけに、5区以降が予想以上に失速した。後半に強いと思ってたんだけどなぁ。
大分東明は脇を固める選手が良い働きをしてエース2人も抜群の出来。過去最高順位かな?どんどん強くなってきて九州でも屈指の高校になってきてる。
青森山田は田村が怪我で1区を外れてダメだと思ったけど、5区に回った田村まで良い位置で持ってこれた。田村は区間賞は取れなかったけど流石の走り。来年1区でどんな記録を出すのか楽しみ。
西脇工業は1区福士が全て。地区予選でも須磨学園西池に負けてたしロードに弱いのかな。遅れるにしても区間15位ではなんとも。その後のメンバーも流れに乗り切れずに終わってしまったのが残念。最近の西脇には速さはあっても強さが無いなぁ。
九州学院は強い2年生達が結果を出した結果の8位。来年はこのまま成長すれば優勝候補の1角にも食い込めるかも。2年上村が村澤から22秒遅れで走ったのにはびっくり。


今年は佐久長聖が圧勝したけれども、強い3年生が抜けて来年は混戦になるかな?今年は記録の楽しみがあったけれど、来年は競り合いの楽しみを味わいたいなと思う。

*1:外国人を除く記録の事

*2:5区の浅井の記録は疑惑の記録だけに、5区も実質1位だが